店内はパン屋さんのイメージを一掃させるような、手作り感で溢れたオシャレな雑貨屋さんの様でした。限られた空間を噂通りのセンスで統一されており、パンだけでなく、メニュー表から小物、ポイントカードにいたるまで、全てに店主の愛情が込められていました。もちろん、パンや小物の名前は猫にちなんだものばかり。小学生達がお小遣いをもって買いに来ると聞いて納得です。
ゆたちんと共にお店に立っているのは、猫ぱんを切り盛りしているゆきこさんです。
「“猫ぱん”は夫婦の夢なんです!」
お店が開店されるまでのお話を聞かせていただきました。
パン職人のご主人と東京で出会い、田舎で二人のパン屋さんをオープンさせたいという想いから、ゆきこさんの故郷である栃木県小山市に二人で移り、そこからゆきこさんのパン作り修行が始まりました。定番商品のロールパンを完成させるまでには、いろんな苦労があったと言います。粉からこだわり、発酵過程の調整など、何度も試作を重ね、やっとの思いで大人気のパンが出来上がったのです。納得いくまで追求したものばかりだからこそ、お店に並んでいる商品は全てに自信があるのでしょう。
すでに夢を叶えているかのように見える猫ぱんですが、現在お店に立っているのは、ゆきこさん一人です。パン屋さんを開業したいと考えてから2年、本格的に準備を始めてから1年。場所や資金、二人がかりでやっていけるのかと、想い描いていたものを現実にするには、とてもリスクが高く、悩まれたそうです。
そんな時、ご主人が提案した事、それが玄関先で始める、ゆきこさんとゆたちんが経営する小さなパン屋さんだったのです。ここでもパン屋さんは出来る!その思いつきと行動力が、今では近所でも評判の猫ぱんスタートになったのです。
タイトル
猫ぱんのトレードマークを良く見た事がありますか?そこには小さく“hop”の文字が書かれています。それは、これから猫ぱんは“hop step jump”していくという事。二人の夢は始まったばかりだということです。ゆきこさんは「開店日数を増やしたい。イートインスペースを作ってカフェのようにしたい。」と将来像を嬉しそうに教えてくれました。
小山市内で評判のお店を聞いて歩いていると、時折「猫ぱんさん」と耳にすることが多くなってきました。美味しい、可愛い、珍しい。行った人が感じる魅力は、人から人へと少しずつ広がっているのでしょう。2月に一周年を迎え、一歩一歩進んでいる猫ぱんhopがstepに変わる日がとても楽しみです。